シンフォギアXV公式サイトのALTコメントを可視化するスクリプト

何をやらかしたのか

シンフォギアXV公式サイトの次回予告の画像に仕込まれた、ALTコメントを簡単に見られるようにしました。

シンフォギア次回予告の画像。右下には「はちみつアーム」という謎の文字が……。

この「はちみつアーム」という文字は画像のALTコメントに仕込まれているものですが、通常は見えません。 それを JavaScript で見えるようにしたのが上の画像なんですね。

使い方

  1. シンフォギアの次回予告サイトを開く
  2. PCブラウザの開発者ツールを開く(F12キー)
  3. 以下のスクリプトをコンソールに貼って実行する
(function() {
  // 前回作成した tooltip を削除する
  const tooltips = document.querySelectorAll('.__kmn-tooltip');
  Array.prototype.forEach.call(tooltips, (tooltip) => {
    tooltip.remove();
  });
  
  const images = document.querySelectorAll('img[alt]');
  Array.prototype.filter.call(images, (image) => {
    // オーバーレイ画像と alt コメント未設定のものは対象外
    return !image.classList.contains('nexttitle_overlay')
        && !!image.getAttribute('alt');
  }).forEach((image) => {
    // いい感じの span を画像と重ねて配置する
    image.parentElement.style.position = 'relative';
    const alt = document.createElement('span');
    alt.style.backgroundColor = 'rgba(255, 255, 255, 0.8)';
    alt.style.position = 'absolute';
    alt.style.right = '1em';
    alt.style.bottom = '0.5em';
    alt.style.padding = '0.2em';
    alt.style.lineHeight = '1';
    alt.classList.add('__kmn-tooltip');
    alt.textContent = image.getAttribute('alt');
    image.after(alt);
  });
})();

ハマったところ

最初のバージョンでは、スクリプトを2回実行したら「const を再定義すんな」と怒られた。 これはグローバルスコープに const を置いてしまい、値を上書き不可能にしてしまったのが原因だった。 const を let にしても、今度は「その let は定義済みだよボケ」と怒られる。

じゃあ定義済みの値を delete するか、あるいは定義済みの場合は let 宣言をしなければ良いのでは……と思ったのだけど、そもそもスコープを切ったほうが安全だ。 ということで、全体を function で囲んで対処完了。

おまけ

ブックマークレットはこちら。

javascript:(function(){const t=document.querySelectorAll(".__kmn-tooltip");Array.prototype.forEach.call(t,t=>{t.remove()});const e=document.querySelectorAll("img[alt]");Array.prototype.filter.call(e,t=>!t.classList.contains("nexttitle_overlay")&&!!t.getAttribute("alt")).forEach(t=>{t.parentElement.style.position="relative";const e=document.createElement("span");e.style.backgroundColor="rgba(255, 255, 255, 0.8)",e.style.position="absolute",e.style.right="1em",e.style.bottom="0.5em",e.style.padding="0.2em",e.style.lineHeight="1",e.classList.add("__kmn-tooltip"),e.textContent=t.getAttribute("alt"),t.after(e)})})();

おわり

これであなたもはちみつ食べ放題だ!

「空と君のあいだに」を実装する

始まり

「『空と君のあいだに』をシステム化して欲しいんです。」

その日、営業担当から依頼されたのは実に平凡な依頼であった。

かの有名な中島みゆきさんの名曲であれば、システム化を希望する顧客も多いだろう。 私は顧客に近い環境で働くシステム屋として、以前からその気配を肌で感じていたのだ。

「わかりました」と素っ気なく仕事を引き受けた私は、さっそく打ち合わせの準備に入るのだった。

顧客との打ち合わせ

翌日、顧客との打ち合わせが始まった。

今日の目的は要件定義だ。システムを作るためには、まず顧客の要望を聞き取る。 それを要件という形でまとめる作業を経て、ようやくシステムを作ることができるのだ。

顧客との打ち合わせの結果、特に重要とされた要件を優先して実装することになった。 その要件とは、以下の2つだ。

  • 君が涙のときには、僕はポプラの枝になる
  • 君が笑ってくれるなら、僕は悪にでもなる

この2つだけを実装するのであれば、難易度はそれほど高くない。 顧客からも「費用対効果の面で満足している」との回答を得られた。

次回の打ち合わせまでには、画面デザインを提示できるだろう。

実装開始

顧客から提示された要件を改めて眺める。

  • 君が涙のときには、僕はポプラの枝になる
  • 君が笑ってくれるなら、僕は悪にでもなる

これはつまり、「君」の状態に合わせて「僕」を変化させて欲しいということだろう。 早速PCに向かった私は、最初の画面デザインを作成した。

バージョン1の画面では、「君」が「涙のとき」である場合、「僕」の欄に「ポプラの枝になる」を表示する。

バージョン1: 君が涙のときに、僕にポプラの枝を表示
バージョン1: 君が「涙のとき」には、僕に「ポプラの枝になる」を表示

もちろん、「君」が「笑ってくれる」場合にも対応している。この場合、「僕」の欄に「悪にでもなる」を表示する。

君が笑ってくれるなら、僕に「悪にでもなる」を表示
君が「笑ってくれる」なら、僕に「悪にでもなる」を表示

最初のバージョンとしては十分な実装だろう。これを最初の案として顧客に見せることにした。

空と君のあいだに:バージョン1 - JSFiddle

フィードバック

「えーと、実はですね……」

顧客から帰ってきた反応は芳しくないものだった。どうやら要望から外れたものを出してしまったようだ。

しかしこれも織り込み済みの事態である。ここからフィードバックを得て、改善を積み重ねていくのだ。 早い段階で第1案を提案でき、フィードバックを得られたのはむしろ僥倖と言えよう。

改めて顧客から聞き取りを行った結果、以下の事実が判明した。

  • 「君」は泣き笑いをする

つまり「涙のとき」と「笑ってくれる」が同時に起こりうる、とのことだった。 なるほど、今の画面では泣き笑いを表現できない。

自社に帰った私は、このフィードバックを元に画面を改良した。

バージョン2の画面では、従来の機能を保持したまま「泣き笑い」に対応している。

まずは従来どおり、「君」が「涙のとき」には、「僕」の欄に「ポプラの枝になる」を表示する。

バージョン2: 君が「涙のとき」に、僕に「ポプラの枝になる」を表示
バージョン2: 君が「涙のとき」には、僕に「ポプラの枝になる」を表示

「君」が「笑ってくれる」なら、「僕」の欄に「悪にでもなる」を表示する機能も同様だ。

今回追加した機能として、「泣き笑い」にも対応している。 「涙のとき」と「笑ってくれる」が同時に起こっている場合、「悪のポプラの枝にでもなる」を表示するのだ。

バージョン2: 君が「涙のとき」かつ「笑ってくれる」場合に、僕に「悪のポプラの枝にでもなる」を表示
バージョン2: 君が「涙のとき」かつ「笑ってくれる」場合に、僕に「悪のポプラの枝にでもなる」を表示

これで顧客のフィードバックに対応することができた。 完成した画面を顧客に見せた時の反応も上々で、私はとても充実した気持ちで家に帰った。

空と君のあいだに:バージョン2 - JSFiddle

誤算

「空と君のあいだに」の実装も終盤に差し掛かったある日、その連絡は届いた。

「すみません、ちょっと相談が……」

電話口の営業担当の声が暗い。何か良くないことが起こったのは明白だった。 話を聞けば、どうやら顧客から仕様変更の依頼が来たらしい。

この時期にプログラムを変更するリスクは高い。 下手な仕様変更は避けたいところだが、かといって話を聞かないという選択肢もない。 的はずれな製品を納入した所で、それは顧客の役に立たないのだ。

私は急いで顧客の元に向かい、再度の聞き取りを行った。

仕様変更

問題があったのは、「僕は悪にでもなる」の部分であった。

ひとくちに「悪にでもなる」といっても、悪にならないケースもあり得るらしい。 実際に悪になるかどうかは、状況によって変わりうるそうだ。

これを受けて、悪になるかどうかの選択肢を「僕」に設ける改修を行った。

バージョン3の画面では、「君」が「笑ってくれる」ときに選択肢が現れる。 その選択によって、「僕」が悪になるかどうかを選ぶことができる。

バージョン3: 僕が悪になるかどうか、選択肢を表示する様子
バージョン3: 僕が悪になるかどうか、選択肢を表示する様子

ここで明示的に「僕」が「悪になる」ことを選択して初めて、「僕」は「悪になる」のだ。

バージョン3: 「悪になる」を選択した結果、僕が「悪になる」様子

もちろん以前のフィードバックも忘れていない。「悪のポプラの枝になる」機能も実装済みだ。 「君」が「笑ってくれる」かつ「君が涙のとき」に、「僕」が「悪になる」を選択すれば良い。

バージョン3: 僕が「悪のポプラの枝になる」様子
バージョン3: 僕が「悪のポプラの枝になる」様子

この画面を改めて顧客に見せたところ「今度こそ間違いない」との回答を得られた。 急な仕様変更であったが、どうやら上手く対応できたようだ。

空と君のあいだに:バージョン3 - JSFiddle

リリース、そして……

その後は大きなトラブルもなくプロジェクトが進み、無事に「空と君のあいだに」システムをリリースすることができた。 我が社の営業担当から聞いた話によれば、顧客の反応は上々なようだ。

しかし、今回実装したのは「空と君のあいだに」のうち一部に過ぎない。 最優先の機能は実装できたものの、まだ実装するべき機能が残っているのだ。

私は「空と君のあいだに」のシステム改修に向けて、今日も顧客との打ち合わせに向かうのだった……。

あとがき

ネタを思いついてしまい、ついカッとなってやった。今では反省している。

システムを作る際には「曖昧なところを確認して、明確な仕様を作る」という作業が必要だったりします。 その過程でこのようなやり取りがあったりするのです……という空気が伝わればいいなぁ。

JSFiddle であそぼう

JSFiddle で変なの作って遊んでます。たのしい。

ハンドスピナー

ボタンを押すと回るやつ。

f:id:m_kahmin:20171119011936p:plain

jsfiddle.net

回転時間の計算が、結局正解が分からず適当な式に。
本来はどういう計算になるのやら…。

単語帳っぽいの

単語帳をパラパラ~っとめくる感じのやつ。

f:id:m_kahmin:20171119012603p:plain

jsfiddle.net

角度の計算は例によって適当。
数学きちんとやらないと、こういう時に苦労するんだなぁ…と思った次第。

技術的なお話: 単語帳の穴

単語の穴を開けるのに無駄に苦労した。
何通りか方法があるようだけど、思い付いたのは3つほど。

背景を透明に& border で背景色を指定

ソースはここ → https://jsfiddle.net/m_kahmin/Lhjaj0vh/14/

ポイントは以下の通り。

  • background-color: transparent;border-radius: 50%; で透明な穴を表現。
  • :before には極太 border を指定して、背景色を表現。
  • :after には1px の border を指定して、縁取りを表現。

動的に色を変える場合は、 :before :after といった疑似要素ではなく
span など別の子要素を用意する必要がありそう。

radial-gradient で背景を指定

ソースはここ → https://jsfiddle.net/m_kahmin/Lhjaj0vh/23/

radial-gradient で順番に色をつけるだけ。

  • 中央は透明の穴。
  • その外側1pxは縁取り。
  • さらに外側は背景色。

SVG を背景にする

SVGで穴の空いた背景を作れば、どうにでもなるんじゃないですかね(適当)
動的に色を変えるのも、問題なくイケるはず。

今知ったけど、マスク機能なんてのもあるらしい。 ブラウザの対応状況がイマイチだけど、数年のうちには使えるのかなぁ。

www.webprofessional.jp

ネットで配信して欲しいサントラ

欲しいサントラがあるけど、高い…!

欲しいサントラがあるんですが、絶版になって久しくて値段がエライことになっているので、 ネット配信とかで再販されないかなぁ…という期待を込めた記事です。

ネタバレ: 全部 ゲームのサウンドトラック の話。

ワンダープロジェクトJ / J2 のサウンドトラック

ワンダープロジェクトJ / J2 は、ゲーム内のキャラクターに外部からアドバイスしながらキャラクターを育てて、色々な目的を達成していく作品です。

育てるキャラクターであるピーノくん、ジョゼットさんは、何も知らない、 世間知らずの状態からスタート します。 最初のうちは、 ボールを食べたり *1 本を投げたり と、一般常識を教えるだけでも一苦労だったりします。

そんな赤ん坊のようなキャラクターを 地道に育成 していく訳ですが、終盤で大冒険をこなせるようになる頃にはもう「ピーノ(ジョゼット)はわしが育てた」と言いたくなるくらいに 愛着が湧いてしまう 。そんなゲームでした。

J2を遊び終えてから数年経って、何となく音楽が聞きたくなってサントラを探したのですが…そのときには既にプレミアがついていました。

がんばれゴエモン ネオ桃山幕府のおどり サウンドトラック

音楽に定評のあるがんばれゴエモンシリーズ なのですが、 Nintendo 64 の「ネオ桃山幕府」の音楽は特に印象深いものでした。

一番凄いと思ったのが、ダンジョン内部で流れる BGMの変化 です。 ダンジョンに入ったばかりの序盤は楽器の数が少なくて音楽も地味なものですが、 攻略が進むと音楽もだんだんと豪華になっていく のです。

音楽の変化で「おっ、攻略が進んだ!」と分かる点も画期的なのですが、最終的には アレンジにされた音楽を聞きたくて攻略 を進めていました。

あの体験をサントラで味わいたいなぁと思ったのですが、コレもプレミアがついています。

スクウェア・エニックス 効果音集 Vol. 2

www.square-enix.co.jp

SFC時代のスクエニのゲームは散々遊んでいくつかサントラまで買っているのですが、普通のCDに入っているのはBGMだけです。

この効果音集に入っているのは文字通り 効果音ばかり です。カーソル移動の「ピッ」という音、剣で切る「バサッ」という音だったりします。 中でも聞きたいのが、 初代フロントミッションの「センキュウ」 です。 あの店員さんの声、妙に気になるんですよね…。

テンキューとは (テンキューとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

元々イベント限定で販売されたCDのようで、中古を探しても売り切れ。入手困難な品です。

まとめ

以上、個人的に「かなり欲しいけど、大金払って買うのは抵抗がある」CDでした。

CDでなくても、 音楽データを販売してくれればありがたい のですが…需要を考えると難しいのかも知れませんね。

*1:育てるキャラクターは「 ギジン 」と呼ばれる ロボットみたいな存在 なので、人間では食べられないものも平気で飲み食いします。あえて本を食べさせて知能を上げるという荒業も可能。

リアルで集まって和歌ドラフトをやった感想

「和歌ドラフトがやりたい」って言ったら友人がノッてきてくれたので 集まって和歌ドラフトをやってきました。

実際に和歌ドラフトを遊んでみてたら色々と気づいたので、ここに書き残しておきます。

開催場所

カラオケボックスでやるか、誰かの家でやるか…と考えていたところでしたが、 秋葉原卓ゲー部 さんに空きがあったので 場所をお借りしてやりました。場所の予約は友人に丸投げでした。

借りられたのはまさかの コタツ卓 。7人で遊んでも問題ない大きさでした。快適。

土日祝でも5時間パックで2,500円で遊び放題、なんてお得なんだー! この冬は 秋葉原卓ゲー部で決まり だね! ご予約はお早めに!ステマ

気づいたこと

紙が全然足りなかった

単語帳160枚入を持参して行ったのですが、結論から言うと 全然足りませんでした orz 消費したのは合計360枚。5~7人で何ゲームも回してたらそりゃ尽きる。 7人参加の1ゲームで49枚、計算してなかった…。

途中で別のゲーム(横暴編集長)もやってたので、全部和歌ドラフトだったら もっと消費したんじゃないかなぁと。

次やるなら500~600枚くらい用意するつもりです。 単語帳なら安い ものですし、余っても痛くない。

パック作成が大変

集まったその場でパックを作ったのですが、いやー 思うように言葉が作れない 。 何か上手いこと書こうと思っても、突然その場では思いつかないものです。

慣れているプレイヤーならその点はどうにでもなるかも知れませんが、 言葉が思い浮かばない時のために 工夫が必要 だと思いました。

  • 事前にパックを作って持参してもらう
  • 「テーマ」を考えるヒントになる、キーワード集を用意する
  • 休憩しながら雑談する

休憩は割と重要です。年齢のせいか脳みそも疲れる…。

パワーカード生み出せる奴は凄ェ

皆がパックに苦戦する中、約1名、平然と 素早いゴリラ とか わきにぎり *1 とか パワーカードを量産してた友人がいました。なんなのあいつ(褒め言葉)

そんな彼でも後半は息切れしていたようなので、やはり休憩とか大切です。

リプレイを作る余裕がない

皆さんが Twitter に上げているように リプレイ を作りたかったのですが、 無理でした 。 目の前のピックを消化するのに手一杯で、その状況を覚えておく余裕がない。

リプレイを上げるなら、リアルでやるよりログが残るネット越しの方が有利だと思いました。

やっぱり面白い

月並みですが、予想以上に面白かった。

言葉遊びするゲーム、大喜利するゲームは結構遊んできた *2のですが、 その中でも最も真剣に悩むゲームでした。

言葉を生み出し組み合わせる 文系的な能力 と、言葉の価値を測りピック戦略を考える 理系な能力 の 双方がいい感じに試されたなー、という印象です。

ピックを失敗すると悔しいとか、感想戦 *3 で感心するとか、普通の大喜利ゲーでは味わえない感覚でした。

またやりたいなぁ…。

*1:脇で握ったおにぎり、または脇でおにぎりを握る行為のこと。元ネタは魔法陣グルグル

*2:キャット&チョコレート、横暴編集長、私の世界の見方

*3:ゲームが終了した後に、より良い手がなかったかどうかを皆で話し合うものです。

和歌ドラフトの遊び方

今回は「 和歌ドラフト 」というゲームの概要と、遊び方についてご紹介したい。

和歌ドラフトとは?

何人かで持ち寄った 「5の句」「7の句」といった 言葉を組み合わせて、57577の短歌を作る 遊びだ。

面白い歌を作って皆で楽しむゲームであり、 勝敗を気にせず気軽に遊べる ものだが、 他のプレイヤーを妨害するような 駆け引き も味わえたりと意外と奥が深い。

コレがどういう風に面白いのかは、 Togetter のまとめを見れば分かるはず。

togetter.com togetter.com

「ドラフト」という名の通り、MTGの「ブースタードラフト」が元ネタだろう。

この記事では、 和歌ドラフトの遊び方 を整理して紹介している。 MTGのドラフトを全く知らない人でも、和歌ドラフトに参加しやすくするのが目的だ。

遊び方

参加人数

特に決まりはないが、 3人以上が望ましい だろう。Twitter 上では 4人~8人のリプレイが挙げられている。

@ebleco 氏によれば、 7人で遊ぶのが最も面白い とのことだ。

事前準備

リアルで遊ぶ場合、筆記用具や紙が必要 になる。事前に準備しておこう。

用意するもの 数量 説明
語句が書ける紙 たくさん
(7枚×参加人数×ゲーム数)+α
5音、もしくは7音の句を書く紙だ。
「LaLaLa wowwow...」のような語句もあるので、小さ過ぎるものは避けたい。
ちょっとだけ余裕がある大きさ が良いだろう。
プレイヤー間でカードを交換するので、カードのように受け渡しできるものが望ましい。
おすすめは単語帳 だ。
筆記用具 人数分 鉛筆やボールペンなどお好みで。語句をカードに書くのに使用する。

なお、チャットを使って オンラインでプレイすることも可能 だ。

進行

道具と人数が揃ったなら、いよいよゲームを始めよう。

1. パックを作成する

5の句、7の句を集めたパックを作成する 。必要な語句と枚数は以下の通りだ。

  • 5の句
    • 3枚
  • 7の句
    • 4枚

この7枚がパック1つ分になる。 多少の字余りがあっても構わない が、歌のリズムを過度に崩すものは避けるべきだろう。

バラバラの語句を書いても良いし、繋がりのある単語を集めた「テーマパック」を作るのも良い。

「和歌ドラフト」という名前だからといって、和歌で使えそうな語句を集める必要はない。

最近流行りの言葉、漫画やアニメやゲームの言葉、昨日食べた夕飯の感想。 音の数さえ合っていれば何でも良いので、 自由な発想で作ろう

2. パックを隣のプレイヤーに渡す

手持ちの パックを自分の隣のプレイヤーに渡そう

このとき 注意するべき点 は2つだ。

注意点その1. パックの中身を公開してはいけない。

パックの中身が 他のプレイヤーから見えないよう 、隠して渡そう。 パックの中身の情報を非公開にすることで、他のプレイヤーとの 駆け引き が生まれるのだ。

注意点その2. パックを渡す相手は一方通行

自分が持っているパックを渡した相手からパックを受け取ってはならない。 逆の隣にいるプレイヤーからパックを受け取ろう 。 (なお、2人プレイのときはこの限りではない。お互いのパックを交換することになるだろう。)

また、 パックを渡す相手 は、1ゲームが終了するまで 変えてはいけない 。 右隣に渡すか左隣に渡すか、順番を最初に決めておくのが良いだろう。

3. 渡されたパックから1語を自分の手札に加える(ピック、ドラフト)

隣のプレイヤーから渡されたパックの中から、 1語を取って自分の手札に加えよう

どのカードを手に加えたのかを 公開してはいけない 。 残ったカードが何なのかも、他のプレイヤーには分からないようにしよう。

何も考えずに語句をピックするのではなく、5の句と7の句のバランス、 手札のカードとの相性を考える必要がある。

詳しくは、後述する「 ピック戦略 」で説明する。

4. パックが空になるまで2~4を繰り返す

1枚減らしたパックを隣のプレイヤーと交換し、 パックの中身が空になるまで繰り返そうパックの中身が空になったらドラフト完了 だ。

5. 手札の語句で歌を作る

手に入れた語句から、 57577の短歌を作ろう 。 限られた手札の中で、最高の作品を目指してみよう。

6. 歌を公開する

全員が歌を作り終えたら、 順番に公開 していこう。 完成した歌を皆が楽しんだら、それで1ゲーム終了だ。

ゲームを続ける場合、 席替え をしたり、 パックを交換する順序を変える のが良いだろう。

拡張ルール

和歌ドラフトには、先程説明したルール(スタンダード)の他にも 拡張ルール が存在する。 戦略の幅が変わってくるので、通常プレイに飽きた方には特にオススメだ。

レガシー

通常の上がり手の他に、 俳句や都々逸での上がりを認める ルールだ。 以下のまとめで紹介されている。

togetter.com

このルールでは、以下の上がり手が有効になる。

  • 短歌
    • 語句を「 57577 」で並べる。
  • 俳句
    • 語句を「 575 」で並べる。さらに 季語 が必要だ。
  • 都都逸
    • 語句を「 7775 」で並べる。

完成する歌の自由度が変化することに加え、 季語 が重要になるだろう。

川柳

短歌の代わりに 575の川柳を作る ルールだ。語数が少ないため 少人数プレイ に向いている。

スタンダードルールとの違いは以下の通り。

  • パックの作り方
    • 5の句
      • 3枚
    • 7の句
      • 2枚
  • 上がり手
    • 川柳を「 575 」で並べる。俳句と違い、季語は不要だ。

人数が多くても遊べるが、スタンダードと同様に考えれば 5人対戦 が面白いだろう。

ピック戦略

このゲームで最も重要なポイントである、語句のピックについて解説する。

語句を選ぶときにはいくつか 注意するべきポイント がある。 ポイントを抑えたピックをすることで、より和歌ドラフトを楽しむことができるだろう。

ポイント1. 「5の句」と「7の句」のバランス

第1のポイントは、 「5の句」と「7の句」のバランス を意識することだ。

短歌であれば5の句が2枚、7の句が3枚必要だ。 この5枚を揃えるのは、最低限必要な条件となる。

「5の句を取りすぎて7の句が取れなかった」という事態になれば敗北は避けられない。 5の句、7の句のバランスを考えたピック を心がけよう。

ポイント2. より良い語句を選ぶ

第2のポイントは、 より良い語句を選ぶ ことだ。 明確な基準はないが、以下の点を考慮すると良いだろう。

他の語句と相乗効果(シナジー)を形成するもの

語句の シナジー は、ピックを検討する上での大きなポイントとなる。

例えば「願いを込めて」という語句は汎用性が高い。大抵のものと無理なく組み合わせて使える。 特に方針が決まっていない序盤には、このような語句が使いやすい。 「星空に」のような相性の良いものを選んでも良いし、とんでもないモノに願いを込めてギャップを狙うのも良いだろう。

「蛙飛び込む」という語句は、蛙が飛び込む先となる「何か」が必要になり汎用性は低い。 反面、飛び込む先が見つけられたときには高得点が狙える。

歌の方向性、手持ちの語句や未知の語句との組み合わせを考えてピックしよう。

ポイント3. 他のプレイヤーを妨害する(カット)

第3のポイントは、他のプレイヤーに取らせてはいけない語句を妨害する( カットする )ことだ。 他のプレイヤーの選択肢を狭めるために、自分が使わない語句をあえてピックするのも立派な戦術なのだ。

例えばあなたが「蛙飛び込む」を隣のプレイヤーに渡した場面を想像してみよう。

その後、あなた渡ってきたパックの中に「札束の海」があったとする。 あなたがこの「札束の海」を隣のプレイヤーに渡してしまった場合、どうなるだろうか?

きっと、あなたがパックを渡した先の誰かが「蛙飛び込む/札束の海」という強いシナジーを完成させてしまうだろう。

相手が一方的に勝利することを防ぎ、より白熱した勝負を作り上げるため、 あなたにはこの「札束の海」を自らピック(カット)し 他のプレイヤーを妨害する選択肢 があるのだ。

ただし、カットは他のプレイヤーの勝利を防げる反面、自分の歌の完成度を下げてしまうことにも繋がる。 カットは使い所を考え、回数を抑えるのが良いだろう。

詳しいことは、以下のまとめをご覧頂きたい。

togetter.com

まとめ

本ルールは友人と和歌ドラフトを遊ぶためのガイドとして作成したものだが、 これから和歌ドラフトを遊ぼうとする全ての人達の助けになるものだと信じている。

ここで書いた内容に不明な点、おかしい点があれば、 どんどん指摘 して頂きたい。 残念ながら筆者は、執筆時点でまだ和歌ドラフトを遊んだことがないのだ。

特に 拡張ルールについては、まだ検討の余地が残っている と考えている。 (使える名詞に縛りを入れる、特定の単語カードを用意しておき初期手札に加え必ず使用する、など。)

最後に、和歌ドラフトの楽しみを教えて頂いた @eleco 氏には、改めて感謝 したい。